煩悩とは
煩悩とは、苦しみを生じる原因で、無意識的に生じている次の六つの根本煩悩が知られています。貪、瞋、癡、慢、疑、悪見。
また、これらに付随して生じる随煩悩が、20の心として知られています。
煩悩は、五蘊である色、受、想、行、識が関係しながら生じています。詳しく理解するには、蘊処界を含めての考察が必要です。
貪・瞋・癡
貪=尽きることのない欲。散乱心を伴う欲。あせりは貪の形を変えたもの。
瞋=嫌な感情に伴って一瞬にしてその原因を取り除こうとする心。瞋が重なると怒りや怨みに増長する。一言で言うといかりである。
癡=貪と瞋を動かす原動力。凡夫には到底気づくことのできない心。無明ともいう。
慢・疑
慢=自分が最も優れていると思っている潜在的心。他人を見くだす心。
疑=好まないものをすかさずうたがう心。仏教の真理である縁起と四諦や五蘊をうたがう心。
悪見
誤った思考の癖で、五つある。
@有身見=自分自身に固執すること。五蘊に気づけない。 A辺執見=偏った考え方。例えば死後の魂に執着すること。
B邪見=縁起と四諦を信じることができない。 C見取見=有身見と辺執見と邪見が正しいと思っている。
D戒禁取見=仏教の戒をおろそかにして迷信を簡単に信じてしまうこと。