仏教の基本
仏教の根本原理
仏教の基本は、四諦・八正道です。四諦とは、苦諦、集諦、滅諦、道諦です。八正道とは、正見、正志、正語、正業、正命、正勤。正念、正定です。
- 苦諦:苦しみ(知るべきもの)
- 集諦:苦しみの原因(断ずべきもの)
- 滅諦:苦しみの滅(証すべきもの)
- 道諦:八正道(修すべきもの)
◎正見:智慧。四諦を覚ること ◎正志:正しい目的
◎正語:正しい言葉 ◎正業:正しい行い
◎正命:正しい生活 ◎正勤:善を高め、悪を離れることに努力する
◎正念:集中を伴う観察。凝念と静慮 ◎正定:心が正しく定まること。正しい三昧
【諸法従縁起 如来説是因 彼法因縁尽 是大沙門説】
ブッダが発見した真理
五陰盛苦は、苦諦と集諦という真理ですが、この「苦しみ」を克服するためにあるのが、滅諦と道諦という真理です。道諦である八正道を実践することによって、滅諦に近づくということです。
五陰盛苦の原型は、雑阿含経で説かれた「重擔経」ではないかと思います。また、雑阿含経では、五陰が繰り返し説かれています。
重擔経の一部抜粋 -----→ 「我れ今、当に、重擔・取擔を説くべし。云何が重擔なる。いわゆる五受陰なり。何等をか五と為す、色受陰、受・想・行・識受陰なり。云何が取擔なる。当来有の愛・貪・喜をともなう、 彼彼に於ける楽著なり。」
つまり、重擔経で説かれている内容は、「五蘊は重い荷物にして、これを背負っているのは人間である」ということです。
五受陰と五陰は同じ意味です。 擔=担=になう。かつぐ。にもつ。 五陰と五蘊は同じ意味です。 雑阿含=原始仏典。
蘊処界
五蘊は、ブッダの悟った真理、縁起をたとえとして示したもので、次のように関係しながら常に繰り返し活動いていると思います。
色→受→想→行→識→色
五蘊は、六根と十八界をからめて考察すると、五感から生じる認識と感情と意志の関係性を示していると考えることができます。六根=眼耳鼻舌身意。 十八界=六根、六境、六識が作り出す境界。五蘊の概要
五蘊は、無意識に流れている心のプロセスを示した概念です。 色を身体、他の4蘊を心の働きと考えます。
色=身体(五根、五境)。 受=五感から受け取ること。 想=感情。 行=意志(身口意)。 識=六根の感覚などを認識すること。
五蘊の働きによって思いや考え、煩悩などが生まれてくるのだと思います。
法華経・譬諭品
仏の説きたもう苦諦は、真実にして異なることなし、もし衆生あって、苦の本を知らず、深く苦の因に著して、 しばらくも捨つること能わざる、是れ等を為(もっ)ての故に、方便して道を説きたもう。
苦諦=苦しみという真理。道=八正道で次の八つがある。正見、正志、正語、正業、正命、正勤。正念、正定。
六波羅蜜
六波羅蜜は、般若経典の中で、行ずるべき修行法として何度も繰り返し説かれています。 重要となるのは、持戒と禅定と最終目的の智慧だと思います。持戒は、六波羅蜜の土台になる修行です。 持戒が保たれないと禅定(瞑想)も成就できません。
◎布施=物惜しみをしない。物でも教えでも惜しまず与えること。
◎持戒=@殺さない。A盗みをしない。Bみだらな淫欲をしない。Cうそを言わない。D飲酒をつつしむ。
◎忍辱=さまざまなことに耐え忍ぶこと。
◎精進=六波羅蜜完成のために努力すること。
◎禅定=瞑想。凝念と静慮。正念。
◎智慧=般若波羅蜜の智慧を得ること。