末那識とは
私たちが、五蘊を観察することは殆ど不可能ですから、ひとつの方便として、八識の説が、考え出されたのだと思います。
八識の説明
八識は、阿頼耶識と末那識そして、意識と五識身です。五識身とは、眼識、耳識、鼻識、舌識、身識です。 五識身は、五根と五境と深く関わり、五欲を生み出す原動力になります。 五欲とは、五根(目耳鼻舌身)が、五境(色声香味触)を求める心です。五根と五識=能取で、五境=所取だと思います。
意識と五識身は誰でも普通に認識できますが、阿頼耶識と末那識は、ヨーガや瞑想の体験によって、その存在を少しずつ 理解していくのがいいと思います。
深層意識の説明
末那識は、五識身と阿頼耶識を中継し、意識を生み出す働きがあり、次の四つの特長があると考えられています。
@末那識の働きに気づけない。A五識身と意識に執着する。 B生まれつき持っている。C常に五識身を求めようとする。
阿頼耶識は、蔵識と言って、過去からの長い記憶を蓄積しているところで、六境に近いものではないかと思います。
末那識は、絶えることなく常に活動し続け、深く強く自己の執着作用を行う思量(想いをめぐらす働き)です。
末那識は、唯識の考え方で、唯識三十頌などの解説書を参考にするといいと思います。 私は、多川俊映著「唯識とは何か」という本を参考にしています。
八識の概念図